冬季うつ病には、高照度光療法が第一の治療法と言われ、抗うつ薬よりも効果が高いとされています。
冬季うつ病は、毎年秋から冬にかけて気分が落ち込んで何もやる気がしない、自己否定的になる、睡眠時間が長くなり日中も眠気がある、集中力がなくなり普段やり慣れた家事や仕事ができなくなる、食事が炭水化物や甘いものに偏り体重が何kgか増える、などの症状が発生します。
睡眠障害という観点では、不眠ではなく過眠にあたりますが、これは人間にも哺乳類の冬眠の性質が残っていて、それが現れてきたものと言われています。
しかし、春になると急に症状が回復して元の元気な状態に戻ります。したがって、冬季うつ病の原因は、日照時間の短さが原因であると言われています。実際、緯度が高い地方や国で発症する割合が高いので、ぼぼ間違いないと言われています。
また、日光の入らない部屋に住んでいる方や、太平洋側の晴れの日が多い地域から、日本海側の曇りがちな地域に引っ越した場合などにも冬季うつ病を発症するケースがよく見られ、日照時間が関連していることを顕著に表しています。
したがって、冬季うつ病の治療には、光療法が最も効果を発揮します。日照時間の不足が原因であれば、当然の結果とも言えます。抗うつ剤は効果は薄いといわれ、光療法でも十分効果を発揮しないときに使われるのが一般的です。
緯度の高いヨーロッパでは、冬季うつ病は一般的で、そのため光療法器具が一般家庭まで広く普及しています。日本はそれ程緯度は高くありませんが、北海道や日本海側の曇りがちの地域では、潜在的な患者が多いと言われています。しかし、人口の多い東京の方が一番冬季うつ病を訴えているのも事実なので、日本の緯度程度でも冬季うつ病を発症する可能性が十分にあると言えるようです。