アルツハイマー型認知症は介護負担が大きい

アルツハイマー型認知症の方の不眠は、深刻な状態になる場合が多くなります。夜中に眠らず昼夜逆転となり、徘徊・せん妄などの異常行動をして周りの人に大きな介護負担をかける傾向が強くなるからです。

アルツハイマー型認知症は、認知症の一種で、最近では脳血管性の痴呆症よりもアルツハイマー型の方が増加しているそうです。症状としては、脳が次第に萎縮して正常な働きが出来なくなり、知能、身体全体の機能が衰えていきます。そして、脳の機能活動が限界に達した時点で死亡に至ります。いまだに原因不明で、これといった有効な対処法はありません。また、若くしてアルツハイマー病にかかる人もいるそうです。

アルツハイマー型痴呆症の特徴は、不眠・睡眠障害に限らず、その行動面に多くの異常行動が見られるようになることです。この異常行動がやっかいなのは、周りの人に大きな介護負担をかけることで、昼夜逆転現象、徘徊、せん妄など、1人で放っておけない行動をとるようになるために、その介護負担が重くのしかかってくるのです。そのため、介助、介護を上手く手分けして行うようにしないと、共倒れになる危険性があるのです。

アルツハイマー型認知症で不眠が起きるのは、一般の不眠と同様に生体リズムの働きの衰弱です。しかし、問題なのは、脳自体が萎縮してしまうために、脳の中の生体時計機能自体が破壊されてしまうと、高齢者の不眠であげたような対処法が取れなくなって打つ手が無くなってしまうことです。

したがって、症状が重度化して打つ手が無くなる前から、デイサービスに通って昼間の運動量や社会的活動を増やしたり、光療法を積極的に活用して脳の体内リズム活動を活性化していくことが重要になります。脳の体内リズム活動を維持できれば、昼夜の区別がつき、夜もせん妄や徘徊をせずに眠ることができるので、周りの人の介助負担を事前に防止することが出来るのです。

認知症と介護: 昼夜逆転・夜間せん妄
認知症の方への効果と限界

関連コンテンツ

  • 子供の不眠は脳の成長を阻害する

    最初に、子供の睡眠障害や不眠が急増していることを書きました。これはデータで明確に調査して明らかになった結果なのです。 2006年6月30日の毎日新聞に大変なニュースが掲載され…

  • 概日リズム睡眠障害が全世代に蔓延

    概日リズム睡眠障害、これは現代社会の中で一番多く、現代社会を顕著に特徴づけている睡眠障害です。結論から言うと、子供から大人まで広く蔓延しており、20%~25%程度の人が不眠や睡眠障…

  • 時差ぼけは一時的な睡眠障害

    時差ぼけは、紹介するまでもありませんが、睡眠障害の一種とされています。一過性のものなので、病気とは扱われません。 時差ぼけの発生原理は、人間の体内時計は日本の時間のまま動いて…

  • 過眠症という睡眠障害もある

    睡眠障害の中には、眠くなってしまう睡眠障害があります。不眠症は、4人~5人に1人といわれる程多くの人が経験しますが、代表的な過眠症であるナルコレプシーの場合、1万人あたり3~18人…

  • 過眠症という睡眠障害もある

    睡眠障害の中には、眠くなってしまう睡眠障害があります。不眠症は、4人~5人に1人といわれる程多くの人が経験しますが、代表的な過眠症であるナルコレプシーの場合、1万人あたり3~18人…

  • 高齢に伴う不眠

    人間は、高齢になると老化して心身の機能が低下してきますが、生体リズムにもそれが当てはまります。具体的には、高齢になると、早い時間に眠くなるようになり、朝は、早くから起きるようになり…

  • 夜勤や交替制勤務での睡眠障害

    夜勤や交替制勤務の仕事というとどのようような仕事が思いつきますか。看護師、ホテルマン、コンビニ、タクシー、マンガ喫茶、IT設備管理、警備員、為替ディーラー ...など、少し考えただ…

  • 睡眠時無呼吸症候群といびき

    いびきをかく人のなかには睡眠障害の人が多いと言われます。実は、いびきは睡眠障害と関係している場合がおおく、それも、危険な場合があるので要注意です。 新幹線の居眠り運転で急に有…

  • ちょっとした不眠なら大丈夫

    睡眠障害・不眠と一口に言ってもその種類は様々です。軽いもの重度のもの、短期のもの長期のもの等々一言では言い表せません。比較的軽い症状のものを先に紹介すると、一過性の睡眠障害です。数…