最初に、子供の睡眠障害や不眠が急増していることを書きました。これはデータで明確に調査して明らかになった結果なのです。
2006年6月30日の毎日新聞に大変なニュースが掲載されました。日本大医学部の兼板佳孝教授らの研究で、10万人にものぼる大規模調査を中学・高校生に行なった結果、実に4人に1人が不眠を訴えているという結果が出たのです。大人以上に不眠と感じている子供が多いと言うことがわかった瞬間でした。
なぜ、子供にこんなにも睡眠障害や不眠が起きるのでしょうか?その原因は、1つではなく、いくつもの項目が重なっているように思います。ここで、考えられる項目をあげてみましょう。
- 24時間社会の影響で、子供まで夜型生活に引き込まれている。
- いじめや不登校の増加に見られるように、学校社会の中にもストレスが満ち溢れている。
- 夜の塾通いが夜型生活に拍車をかけている。
- 携帯電話やゲームを買い与えられ、夜更かし生活が日常化している傾向がある。
このように、少し考えただけでも、沢山の項目があげられます。これに加えて、個人的な悩みや、家族関係等が加わると、益々複雑な様相を帯びてきて、子供社会の難しさを痛感せざるにはいられません。
一般に、人間の睡眠中には成長ホルモンが分泌されますが、子供の場合は、特に成長著しい時期なので、そのような時期に十分な睡眠が摂れないということは、十分に心身が成長する機会を喪失しているわけで、大人以上に深刻な事態といっても良いかもしれません。
親としては、子供の生活習慣をきちんとモニターして、健全な生活・睡眠習慣を維持していることを確認することが重要ではないでしょうか。