過眠症という睡眠障害もある

睡眠障害の中には、眠くなってしまう睡眠障害があります。不眠症は、4人~5人に1人といわれる程多くの人が経験しますが、代表的な過眠症であるナルコレプシーの場合、1万人あたり3~18人程度と言われています。

過眠症は、昼間耐え難いほど強い眠気のため、場所や時間に関係なく居眠りをしてしまいます。それも繰り返し居眠りをしてしまうので、「なまけ者」「ふまじめ」などととられてしまいがちです。仕事中や授業中にとても眠くなることは誰でも経験することですが、その眠気が耐えられないほど強くて我慢できなかったり、頻繁に発生するようであれば、過眠症の可能性があります。

過眠症の発病年齢は若く、特に中学・高校生の頃に集中しています。過眠症は、ほとんど確実な原因が分かっておらず、現時点ではまだ根治的な治療法は見つかっていません。しかし、早い時点で適切な治療を受ければ、ほぼ日常生活が復帰することが可能です。

ナルコレプシーは、「居眠り病」や「過眠症」と呼ばれていますが、知名度が低いために一般への理解がなかなか得られません。更に問題なことに、専門医が非常に少ないため、正しい診断・治療が受けにくいのが現状です。これらのことが原因で、ナルコレプシー患者には、どうしても大きな負担がかかってしまいがちになります。

そのため、これらの状況を改善するため、NPOなるこ会が、「ナルコレプシー及び関連過眠症患者とその家族等に対して、より治療が受け易く、患者が安心して生活出来る社会作りをすすめ、医療の発展に寄与すること」(なるこ会HPより抜粋)を目的として設立されています。

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