睡眠障害に関わる取り返しのつかない事故

もう20年近くにも前になりますが、1986年1月28日、スペースシャトル・チャレンジャー号が、発射してしばらくして大爆発を起こしました。この映像は、世界中にテレビ中継されており、発車から爆発までの一部始終が放映されました。

晴天の青空を背景に、グングンと加速するシャトルが一瞬で散ってしまった光景が、今でも目に焼き付いています。まさに、リアルタイムでその映像を見たのです。

実は、この事故も睡眠不足が関連していると言われているのです。単なるミスや怪我で済まない大事故が起きてしまうことを証明したわけです。

これ以外にも、睡眠不足によって引き起こされた大事故は、多くあります。その中でも特に大きな事故が、同じくアメリカのスリーマイル島の原発事故です。また、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故も、睡眠不足が絡んでいると言われています。この事故では、近くの住民は、多くの放射線による被害をうけました。これらの大事故や危険性は、その後の詳しい調査によって、その作業者が睡眠不足によってミスを犯したことが判明しています。

また、日本でも時折、居眠り運転による交通事故や、睡眠時無呼吸症候群が一気に有名になった新幹線の時速270kmでの居眠り運転などがありました。幸い、この例では事故に至らずに済んでいます。

睡眠障害や不眠の状態では、集中力が欠け、とっさの判断力ができず、通常では起きないミスを引き起こしてしまうことがわかります。そう考えると、アルコールを飲んで仕事をする場合に少し似ているように感じます。ということは、多くの人命に関わる職業の方の場合は、睡眠障害や不眠の状態は大変な危険を秘めているということになります。具体的に、交通事故の場合で比べると、事故を引き起こす確率が2~3倍高くなるそうです。

ということで、睡眠障害や不眠は、自分の病気による辛さだけではなく、周りを巻き込んでの事故になることを肝に銘じておく必要があります。

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