夜勤や交替制勤務での睡眠障害

夜勤や交替制勤務の仕事というとどのようような仕事が思いつきますか。看護師、ホテルマン、コンビニ、タクシー、マンガ喫茶、IT設備管理、警備員、為替ディーラー ...など、少し考えただけでもいくらでも出てきます。24時間社会となった現代では、夜勤はすでに珍しい職種ではなくなり、その勤務形態も多様化しています。

夜勤では、どうしても睡眠不足気味のまま働くケースが多くなります。昼間に寝て夜働くということをおこなうので、通常の生体リズムとは違う身体の使い方をするわけです。その結果、自律神経系やホルモン分泌系に異常をきたすようになる場合もあり、睡眠障害から、様々な疾患へと発展していく場合もあります。

問題なのは、個人の体調不良に加え、日勤に比べて事故が発生する確率が高くなることです。急に眠けに襲われたり、ボーッとして集中力を無くしなりすることもあります。生体リズムに逆らって仕事をするわけですから、もともとどこかに歪みおなって現れてもおかしくない話なのです。

自分が寝不足で出社した場合の時のことを考えても、電車のつり革にぶら下がりながら寝てしまって、ガクッとした拍子に気付いたり、パソコン画面にむかいながら、仕事をしているようでいて何も進んでいないことに気付いたりしたことを思い出します。

身近なニュースで聞くのは、居眠り運転による交通事故で、世界的に有名なのは、スペースシャトル・チャレンジャーの爆発事故や、チェルノブイリ原子力発電所の事故です。いずれの場合も、取り返しつかない結果となっています。

このように、夜勤や交代制勤務の労働環境は、個人の体調不良、事故の発生確率などを考慮すると、事前に十分に配慮したシステムを取り入れることがとても重要になります。たとえば、夜勤の職場では、格段に明るくして生体リズムとの調整を図る例などがあります。

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