昔から寝酒がはびこる日本

日本では、眠れないために行っている対策として一番多いのが「寝酒」という結果が出ています。これは、諸外国と比べてもかなり多いようで、日本人がたとえば西洋人に比べてアルコールに弱くて直ぐに寝てしまいやすいという傾向があるのかも知れません。

しかしながら、「寝酒」は睡眠障害の対策としては、非常に不適切です。寝酒は、確かに入眠するには楽な方法なのですが、実際には、眠りが浅くなり深い睡眠がとれません。夜中に目が覚めてしまうことが多く、眠りのリズムが崩れてしまう現象が起こるようです。

それに、だんだんとアルコールの量も増えていき、身体に外を与え始めます。アルコールは、適量であれば身体によいとも言われますが、寝酒は別ですし、だんだんとアルコールが増えると適量を超えてしまいます。

一番良いのは、前節で紹介した専門医にかかり、適切な指示と処方をしてもらうことです。

もし、自分で睡眠障害対策を行うのであれば、アルコールではなく、光療法をお薦めします。これは医療にも取り入れられている方法です。これは、起床時や朝・日中に太陽のひかりや、高照度照明と言われる器具を使って強い光を浴びるだけです。

どうしてこれが有効かというと、人間には体内時計があり、朝になると目覚め、夜になれば自然に眠くなるという概日リズムが備わっています。朝、一日の始まりを認識するのは強い光によります。この光が脳の中にある体内時計をリセットして一日を開始する訳です。さらに、人間には、そのリセットされた時間から14~16時間後に自然に眠くなる性質も備わっています。このように、もともと人間が持っている性質に合わせて生活すれば、とてもスムーズで健康的な生活が出来るのです。

要は、生活習慣です。この厳しい現代社会においても、人間が本来もっている性質に逆らわずに、無理をせずに生活していけば、健全な生活が送れると言うことでしょう。

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