体内時計と生体リズム

体内時計や生体リズムという言葉が一般に使用されるようになってきました。

最近の研究から、体内時計は体中にあることが知られています。その中で全体の体内時計を司っているのが脳の視交叉上核にある体内時計です。そして二番目に影響力のあるのが腹時計と言われています。

体内時計を元に、身体のなかでは様々なリズム、つまり生体リズムが刻まれています。睡眠と覚醒のリズム、体温のリズム、行動のリズム、ホルモン分泌のリズムなどです。

体内時計は、人により24~25時間の周期できざまれていると言われています。周期が24時間より長い方の場合、一日24時間のリズムとズレが生じますので、概日リズム睡眠障害になりやすいと言われています。また、海外旅行の際に体験する時差ぼけは、日本時間の体内リズムがいきなり時差のある海外に移動して生体リズム全体が狂った状況と言えます。

睡眠と覚醒のリズムは、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌と深く関連しています。メラトニンとは、日中に光を浴びることで作られ、夜になって暗くなると分泌を始めます。朝強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制され、夜暗くなると再び自然にメラトニンが分泌されて眠気を促し睡眠と覚醒のリズムがつくられます。高照度光療法は、この作用を人為的に作り出して適用する治療法です。

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