いびきをかく人のなかには睡眠障害の人が多いと言われます。実は、いびきは睡眠障害と関係している場合がおおく、それも、危険な場合があるので要注意です。
新幹線の居眠り運転で急に有名になった「睡眠時無呼吸症候群」は、いびきと関連した睡眠障害で、寝ている間に10秒以上の無呼吸の状態が続き、それが1晩に30回以上発生すると睡眠時無呼吸症候群と判定されます。
ここで、いびきの仕組みをみてみると、その危険さが良くわかります。睡眠中は舌の筋肉や喉の奥の筋肉が緩むのでこれによって気道が狭くなります。そして、軌道が狭くなると、空気が通りにくくなるわけですから、細い気道に空気が速く流れるため、喉のやわらかい組織が振動して「いびき」となるわけです。
いびきは、実際にはほとんどの人がかきます。年齢が高くなるほど、いびきをする人は多くなり、身体が疲れているとき、お酒を飲み過ぎたときにもいびきをかきます。また、直接的に、鼻炎や扁桃腺炎などの病気のときもいびきをかきやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群は、場合によっては危険な状態に発展するので、その見極めの目安を紹介しておきます。周りの人はそれに気付いたら、本人に知らせ、専門医を受診することが重要です。一つの目安は、大きないびきをした後に、急にいびきが止まって無呼吸状態になり、そしてその後、空気が抜けたような「ヒュー」という音がしたり、再び、「グググッ」というような大きないびきをする症状です。
この病気は、本人がなかなか気付かず、昼間に意識がなくなることがあります。また、様々な危険な病気に関連し、動脈硬化、高血圧、心不全、脳梗塞などの病気になる可能性もあります。したがって、いびきは、単なるいびきとして認識いてはとても危険なのです。